1章はじめに
生成AIは非常に強力で簡単に使えるので、技術者でなくても非常に魅力的な生成AIアプリケーションのプロトタイプを簡単に作成できる。しかし、そのようなプロトタイプを実運用環境に持ち込むことは難しい。生成AIモデルは信頼性に欠けるからだ。ハルシネーションを起こすこともあるし、同じ入力に対して異なる答えを返すこともある。さらに、訓練の仕方によっては驚くような制約があったりする。本書に掲載されている設計パターンは、生成AIモデルを用いて実運用アプリケーションを構築する際に発生する、これらのよくある問題に対処するためのベストプラクティスと解決方法をまとめたものだ。
1.1 生成AIデザインパターン
ソフトウェア工学でいう「デザインパターン」とは、ソフトウェアの設計や開発中に頻繁に起こる問題に対する、実証済みの解決方法をまとめたものだ。多数のソフトウェア開発者の集合的な経験を通じて長い時間をかけて進化してきた、標準的なベストプラクティスである。「デザインパターン」が重要なのは、開発者が効率的にコミュニケーションするための共通の語彙を確立し、ソフトウェアの品質、保守性、スケーラビリティを向上させるのに役立つからだ。
デザインパターンという概念は、建築家であるChristopher Alexanderに大きな影響を受けている。彼は、著書『A Pattern Language』†1(Oxford University Press、1977年)で建築におけるパターンを紹介した。Erich Gamma、Richard Helm、Ralph Johnson、John Vlissides による著書『Design Patterns: Elements of Reusable Object-Oriented ...
Become an O’Reilly member and get unlimited access to this title plus top books and audiobooks from O’Reilly and nearly 200 top publishers, thousands of courses curated by job role, 150+ live events each month,
and much more.
Read now
Unlock full access