10章サンプリングと一般的なデプロイモデル

OpenTelemetry Collectorの柔軟性は非常に高く評価されています。 9章 で見たように、さまざまなテレメトリーデータ処理技術やデプロイパターンを使用して、 多くの場面でのテレメトリー転送シナリオに対応できます。 本章では、クラウドネイティブ環境におけるもっとも一般的なデプロイモデルのいくつかを、 OpenTelemetryを使用して計装されたサービスと、そうでないサービスの両方を考慮に入れながら探っていきます。 これらのツールを念頭に置きながら、オブザーバビリティを高めつつ、 高額な転送コストやストレージコストを回避するために役立つ、高度なトレースサンプリング技術についても探っていきます。

10.1. 一般的なデプロイモデル

組織内でどのテレメトリーバックエンドやオブザーバビリティプラットフォームを選択するかは、 通常、コスト、機能セット、レガシーシステムのサポートなどの要因によって左右されます。 しかし本書を通じて、OpenTelemetryがテレメトリーをバックエンドにどのようにエクスポートするかの決定をアプリケーション所有者に委ねると同時に、 基盤となる計装には影響を与えないことを見てきました。 とはいえ、選択肢が多すぎるため、OpenTelemetryを組織に導入して、 新しい要件や既存の要件をサポートするさまざまな方法を視覚化するのが難しい場合があります。 以下の例で、クラウドネイティブ環境におけるもっとも一般的なデプロイモデルの一部と、それらのメリットや課題について説明していきます。

まずは 図10-1 に示すような、OpenTelemetryが導入されていないシステムから説明します。 テレメトリー処理とエクスポートパイプラインに焦点を当てるため、その保存やクエリーではなく、 ...