1章時系列の概論と簡単な歴史
現在、例えばモノのインターネット、ヘルスケアのデジタル化、スマートシティの台頭などによって生み出される時系列データは膨大です。それに伴い、時系列データとその分析の重要性はだんだんと高まっています。今後数年で、時系列データの量、質、および重要性は、急成長すると考えられています。
モニタによる連続監視とデータの連続収集が一般的になるにつれ、統計学と機械学習の手法を両方とも使用する優れた時系列解析のニーズは高まります。実際、最有望な新しいモデルでは、両手法が併用されています。このため本書では、それぞれの手法をどちらもじっくりと解説します。本書では、人間の行動、科学的な現象、民間セクターのデータの解析と予測に役立つ、広範囲に及ぶ時系列解析手法を学んで利用します。これらの分野には豊富な時系列データがあるからです。
では、定義から始めましょう。時系列解析とは、時間経過順に並べた点から、意味のある要約や統計情報を抽出する試みです。過去の挙動の分析や、将来の挙動を予測する目的で行われます。本書では、例えば100年の歴史を持つ統計モデルから最近開発されたニューラルネットワークのアーキテクチャにわたる多種多様な方法を用いて、時系列解析を行っていきます。
本書で取り上げる手法は、世間から隔絶したような状況や純粋に理論的な興味から発展したものではありません。時系列解析におけるイノベーションは、データの新しい収集、記録、および可視化の方法が出現した結果として起きるのです。次節では、様々な用途における時系列解析の到来を手短に論じます。
1.1 時系列の多様な用途の歴史
時系列解析は、往々にして、因果関係の問題に帰着します。つまり、過去は未来にどう影響を及ぼしたのでしょうか。このような問題(と、その解)は、時折、時系列解析の一般分野ではなく、特定の学術分野内で厳密に取り扱われることがあります。その結果、様々な学術分野が、時系列データに対する新しい考え方を寄与することとなったのです。 ...
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