まえがき
ここ10年ほどの間に、私たちの日常生活や仕事に数学や統計を活用することへの関心が高まっています。なぜこのような変化が起きているのでしょうか。それは、『Harvard Business Review(ハーバード・ビジネス・レビュー)』が「21世紀でもっとも魅力的な仕事」と称した「データサイエンス」への急速な関心の高まりが影響しているのかもしれません(https://oreil.ly/GslO6)。また、機械学習や「人工知能」が私たちの生活を変えるという期待が高まっていることも理由のひとつでしょう。あるいは、ニュースの見出しには研究や調査結果が溢れていますが、それらの内容の正確さをどう検証すべきかわからないからでしょうか。それとも、近い将来に「自動運転(self-driving)」車やロボットが仕事を自動化するという期待があるからでしょうか。
私は、利用できるデータが増えたことによって、多くの人々が数学や統計に関心を持つようになったことが原因であると考えます。データを理解するには、数学、統計、機械学習が必要です。確かに、科学的なツールや機械学習、その他の自動化技術は、まるで魅力的な歌声のように我々を引きつけます。我々は、これらの「ブラックボックス」やデバイス、ソフトウェアのことを十分に理解していないにもかかわらず、盲目的に信頼し、使用しています。
コンピューターは人間よりも賢いと考えられがちで、一般的にそう語られることも多いですが、実際はまったく異なります。この認識のずれはさまざまな場面で危険を伴います。アルゴリズムやAIが犯罪に関する判断を下したり、自動車を運転したりする際に、その判断の根拠を開発者自身ですら説明できない状況を、我々は本当に受け入れられるでしょうか。説明可能性(explainability)は、統計やAIの次のフロンティアです。説明可能性は、ブラックボックスを紐解き、その中に隠された数学を明らかにすることで初めて実現できます。 ...
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