8章キャリアのアドバイスと今後の道筋
本書もいよいよ終盤に差し掛かっています。ここで一度、これまで学んできたことを振り返りながら、今後の身の振り方について考えてみましょう。これまでに、微積分、確率、統計、線形代数といった数学の分野を幅広く学んできました。そして、これらの知識を活かして、線形回帰、ロジスティック回帰、ニューラルネットワークといった手法を実際に適用し、使いこなすスキルも身につけました。本章では、この知識を今後どのように活かしていくか、そしてデータサイエンスという刺激的でありながらも独自性と多様性に富んだ世界で、どのようにキャリアを築いていくかについて説明します。具体的な問題意識を持たずにツールや技術をただ覚えるのではなく、明確な方向性や目標を持って取り組むことがきわめて重要です。
本章は、これまで扱ってきた基本概念や応用手法の説明から離れ、本書の他の章とは少し異なる視点で述べていきます。もしかすると、皆さんはこれまでに学んだ数理モデリングのスキルを具体的にキャリアでどう活かすのか、その方法を知りたいと思っているかもしれません。しかし、データサイエンスの世界で真の意味で成功を収めるには、SQLやプログラミングなどのようなハードスキルだけでなく、プロフェッショナルとしての意識を高めるソフトスキルも不可欠です。特に後者のソフトスキルは、目まぐるしく変化するデータサイエンスの業界で方向性を見失わず、市場の思わぬ変化にも振り回されずに対応するうえできわめて重要です。
皆さんのキャリアのゴールや、ここで得た情報の活用方法を私が決めつけるつもりはありません。しかし、本書を手に取っていることから考えると、いくつかの可能性が推察できます。もしかすると、データサイエンスのキャリアに興味があるのかもしれませんし、すでにデータ分析の仕事に携わっており、その知識を体系的に整理したいと考えているのかもしれません。また、すでにソフトウェアエンジニアとしてのバックグラウンドがあり、AIや機械学習について理解を深めたいという方もいるでしょうし、プロジェクトマネージャーの立場から、データサイエンスやAIチームの能力を評価し、適切にプロジェクトのスコープを定義できるようになりたいという方もいるでしょう。あるいは、純粋な知的好奇心から、数学が学術的な世界を超えて、実際の現場でどのように役立つのかに関心がある専門家の方もいるかもしれません。 ...
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