3章顧客から始めるのがアジャイル
アジャイルの原則の1つ目は、いちばん重要かつ難しい。そして、ほとんどの場合見落とされている。アジャイルは効率や速さを向上させるための運用改善とみなされることが多い。だが、アジャイルの旅を成功させるには、単に人がどう協力しあうかだけでなく、顧客のためにどう協力しあうかが重要なのだ。
本当の意味で顧客を仕事の中心に置くということは、何を届けるのかといった具体的なことを考える前に、彼らのニーズやゴール、経験について考えることにほかならない。これは、プロダクトマネージャーがよく言うように、作成するアウトプットについて考える前に、顧客に届ける成果にフォーカスすることを意味する。顧客の経験すべてを理解し、それを起点として仕事をしよう。そうすれば、意外な機会を発見したり、忙しく見えるだけの見せかけの仕事を少なくしたり、顧客が望むものを以前よりも早く届けたりすることができる。
顧客中心主義を実現することで、アジャイルチームは顧客と会社の双方により良い成果をもたらし、プロダクトエンジニアリングチームを超えてアジャイルを拡張できる共通言語を作り出す。IBMのCMOであるミッチェル・ペルーソは、顧客中心主義こそがIBMのアジャイルマーケティング変革の中心であり、それが組織全体に共通の目的意識をもたらす上でどのように役立ったのかを説明してくれた。
私のアジャイルについての考え方の1つは「顧客を前面かつ中心に据えているか? 顧客体験が仕事に対する考え方を後押ししているか?」というものです。これはデザイン思考の原則でもあり、顧客のいちばん重要なニーズについて考えるように促すものです。顧客中心主義の共通原則は、アジャイルマーケティングチームとデザイン思考トレーニングを受けたチームをうまく連携させたものの1つです。 ...
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