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リーンエンタープライズ ―イノベーションを実現する創発的な組織づくり
book

リーンエンタープライズ ―イノベーションを実現する創発的な組織づくり

by Jez Humble, Joanne Molesky, Barry O'Reilly, 角 征典, 笹井 崇司, Eric Ries
October 2016
Beginner to intermediate
384 pages
4h 24m
Japanese
O'Reilly Japan, Inc.
Content preview from リーンエンタープライズ ―イノベーションを実現する創発的な組織づくり

2章企業ポートフォリオのダイナミクスを管理する

事業の目的は顧客の創造である。

ピーター・ドラッカー

本章では、ビジネスのライフサイクルと、企業がどのように新しいビジネスモデルの探索と実証済みのビジネスモデルの活用のバランスをとるかを見ていきます。企業のどの部分にリーンスタートアップのプラクティスや原則を適用できるのか、それをイノベーションポートフォリオ管理の基盤としてどのように使えるのかを理解するには、この2つ(探索と活用)を区別する必要があります。

エベレット・ロジャーズは、著書『イノベーションの普及』(翔泳社)において、成功する技術やアイデアが進むサイクルを図2-1のように説明しています†1。成功するアイデア(技術・製品カテゴリー・ビジネスモデル・方法論など)は、まばらで不規則に散らばった状態から、時間の経過に伴い、コモディティへと進みます。コモディティ化したものは、より高レベルで価値のある新たなイノベーションの構成要素になります。このサイクルの各ステージを進む時間は、イノベーションによって大きく異なります。

[†1] ロジャーズの業績(詳しくは[rogers])は、アイオワの農家の技術導入に関する研究から導かれたものです。

イノベーションのライフサイクルを示すS字型曲線<!-- IDX:ホッケースティック -->

図2-1 イノベーションのライフサイクルを示すS字型曲線

ロジャーズはイノベーションにどう反応するかで、図2-2のように人を分類できると考えました。新しい技術やアイデアは、まずイノベーターによって試されます。イノベーターは最も人数の少ないグループです。イノベーターが競争優位をもたらす技術を見つけると(そうではないことが多いのですが)、その技術はアーリーアダプターによって取り上げられます。このように、それぞれのグループにおける成功を経由しながら普及していきます。 ...

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