訳者まえがき
ちょうど1年前、『UnityによるVRアプリケーション開発』の本(以下VR本)の校正中にPokémon GOがリリースされて大きな話題となりました。この流れは近年どちらかというとVRのほうに傾倒していた私に、忘れかけていたARへの想いを呼び起こしてくれました。そんな中、偶然にもVR本の原著と同じ出版社であるPackt PublishingからAugmented Reality Game Developmentというタイトルの本が出ることを知り、「この本を訳したい」という気持ちが沸々と湧いたことをきっかけに、このまえがきを書く次第となりました。
私はかつてセカイカメラという、正に本書で扱っている位置情報ベースのARアプリの開発に携わっていました。一時は大きな話題を集めたこともあったのですが、当時のiPhoneやAndroid端末のハードウェア性能では実現できなかったことも多々あったことを覚えています。しかしここ数年で、MicrosoftのHoloLensをはじめ、GoogleのTangoや、本書翻訳中に発表されたAppleのARKitにより、単にオーバーレイするだけではない環境を認識して現実と絡み合うAR(HoloLensはMRと呼んでいるようですが)をモバイルデバイスで実現できるようになってきました。ハードウェアとソフトウェアの進化により、当時思い描いたARのセカイが誰でも実現可能になる環境が整いつつあります。究極的には軽量な眼鏡のようなARデバイスが理想ですが、スマートフォンのARは現時点で多くの人が持っているデバイスで実現できるというのが大きなポイントだと思います。日本語翻訳版では位置情報ベースの仕組みから一歩先に進めて、TangoとARKitを使った開発について巻末付録として追記しました。この本を読んだ方の手で新たなARアプリが誕生することを願っています。 ...
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