翻訳者まえがき
現在はハードウェアもソフトウェアも飛躍的に進化し、ハイスペックなPC、スマートフォン、AIが当たり前に使われる時代です。歳月をかけて積み上げられた技術基盤を、意識することなく当たり前に使用した上で、高度な開発が求められます。この基盤技術は基本過ぎるがゆえに、軽視してしまうのは当然なことです。自発的に学習する意欲やきっかけを見つけるのも難しいと思います。
しかし基本を知っていれば、エンジニアとしての深みが増すことでしょう。幅広い視野や、柔軟なアイデアというのは豊富な知識から出てくると思いますが、その知識の1つは基本や経緯があると思います。
本書では組み込みシステムを介して、その基本や経緯を十分に学べます。「はじめに」の「本書について」にある通り「概念はOS上で動作するプロセッサにも適用」できます。5章の割り込みや6章のウォッチドックはサーバにもあります。6章のステートマシンや11章のスタックは組み込みに限った話ではありません。9章のデバッグ、10章のセキュリティ、11章のリソース削減は、すべての環境で開発中だけではなく、リリース後にも関係します。
また初級者から上級者にとっても価値のある内容になっています。4章にある2進法と16進法の計算やビット操作については、初級者が読んでおくべきことです。上級者のソフトウェアエンジニアでも、SPIデバイスはオンボードであり、なぜUSBのようにケーブル接続ではないのかを説明できる人は少ないのではないでしょうか。答えは7章にあります。
なお2章のデータシートの解説や、3章の回路図の見方は、有用でもあるし、興味深かったです。データシートはドライバに関わる人は読むことになるでしょう。3章のオシロスコープや13章のDMMにより電力測定などは実際にしないかもしれませんが、アナログ回路はソフトウェアとは別世界で印象的でした。サウンドに関わるとオシロスコープは必要かもしれません。 ...
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