5章効果性に対する一般的なアンチパターン
これまでの章では、エンジニアリングチームの効果性を高めることが、いかに重要であるかについて述べました。また、心理的安全性や相互信頼などの要因が効果性を育むことについて詳しく説明しました。そして、マネージャーや、リーダー、エンジニアが個人としてチームとして効果性を高めるためにできることをリストアップしました。
このガイダンスが直感的に理解できる方もいらっしゃるでしょう。効果的でないことを意図して行う人はいません。しかし、どんなに努力しても、効果的でないことが意図せぬところで現れることがあります。状況やマーフィーの法則のせいにすることもできますが、計画外の複雑な問題が発生して、プロジェクトのアウトカムに悪影響を与えることはあります。振る舞いや意思決定のパターンによっては効果性を向上させる場合もありますが、一方でチームのゴール達成を妨げる場合もあります。正しいパターンを実行して、効果的なチームをこれらの落とし穴から守るにはどうすればよいのでしょうか。
ソフトウェア開発においては、信頼でき効果的であるデザインパターンがあります。それとは対照的に、その真逆のアンチパターンもあります。アンチパターンとは、繰り返し発生する問題への一般的な対応策のことです。しかし、一見解決策のように見えるものの、実際には上辺だけのものであり、非生産的であり効果的ではありません。
問題が表面化するのを待つのではなく、効果性を妨げるような典型的なアンチパターンを学び、問題が発生した場合はそれらを早期に特定するようにしてください。この章では、ソフトウェアエンジニアリングチームがはまりやすい多くの落とし穴を考察した上で、効果性を妨げる一般的なアンチパターンを紹介します。それぞれのケースにおいて、アンチパターンを特定するのに役立つ特徴と、それらに対処してチームの効果性を元に戻すためのコツを学んでいってください。 ...