14章継承の光と影
私たちは継承そのものについてのより良い理論を必要としていました(そして今も必要としています)。例えば継承やインスタンス化(これもある意味では継承です)では、実用的な側面(コードを再設計して総量を減らす、など)と意味的な側面(特殊化、汎化、種分化などさまざま)とが混同して扱われています。
—— Alan Kay
『The Early History of Smalltalk』†1
[†1] Alan Kay、『The Early History of Smalltalk』、SIGPLAN Not. 28, 3(1993年3月)、69--95ページ。https://fpy.li/14-1で公開。友人Christiano Andersonが紹介してくれました。
この章では継承と子クラスについて解説します。これらの概念に関しては基礎知識を前提として議論を進めてゆきますが、『The Python Tutorial』(https://fpy.li/14-2)などが参考になるでしょう。また、Java、C#、C++といった他のオブジェクト指向言語での経験も役立ちます。本書では、Pythonに固有の以下の4点に注目します。
super()関数- 組み込み型の子クラスを定義する際の注意点
- 多重継承とMRO(メソッド解決順序)
- ミックスインのクラス
多重継承とは、1つのクラスが複数の基底クラスを持つことです。C++ではサポートされていますが、JavaやC#ではサポートされていません。多くの人々は、多重継承はメリットよりもデメリットのほうが多いと考えています。初期のC++コードでの乱用を受けて、Javaでは意図的に多重継承の機能が除外されました。
この章ではまず、未経験者向けに多重継承を紹介します。単一継承と多重継承のいずれを使う場合についても、適切な実装のための指針を明らかにします。 ...
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