第 3 部 戦略を書く
一方で、事業者の同質軸かつ顧客の決定軸と要件軸であるもの(図中③と⑥)
は、ブレイクスルーにより違いを生み出せると新たな競争軸となりうる潜在競
争軸といえます。
フリマアプリを例にすると、不正が行われていないか、怪しいユーザーはい
ないか、商品は偽物ではないかといった不安の払拭につながる「信頼性」はサー
ビス選定ではとても重要な軸でしょう。ただ、信頼性は各社パトロール機能や
ユーザー同士の評価システムの導入などを通じ一定水準を確保しており、優劣
が生まれづらい軸ともいえます。
この同質軸を自社の選ばれる理由に引き上げようとしている事業者が完全
招待制フリマアプリの ARCIVESTOCK です。誰でも利用できるわけではな
く、招待によって加入した利用者しかいないというサービスはこれまでのパト
ロールや相互評価システムとは異なる次元で信頼性を構築することにつながる
でしょう。
「顧客は何を重視し、導入/購入を判断するのか?」「競合となりうる事業者
群は何を自社の特徴、強みとして打ち出しているのか?」「双方の観点を重ね
た際に、意思決定に影響を与え、かつ各社で優劣が生まれている軸は何か?」
といった問いを立てて各社の立ち位置と動きを可視化することによって、競争
軸をあぶり出す、これが競争環境を把握するということです。
8-5
競争環境を可視化する
8-5-1
戦略キャンバスとは何か
競争環境を把握するための可視化表現はさまざまなものがありますが、顧客
と事業者の目線、現状の優劣を可視化するうえでは戦略キャンバスの活用が有
効です(
図 8-7
)。
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