第 3 部 戦略を書く
9-1
優位性とは何か
9-1-1
顧客に選ばれる理由、選ばれ続ける理由
社内で新事業を進めていく際の上申の場では、「この事業の競争優位性は?」
「後発企業の参入リスクは? 参入障壁は築けるのか?」「なぜその事業は勝て
るのか? 勝ち続けられるのか?」といった優位性や、実現性に関する問いへ
の回答が求められます。
優位性とは比較対象となりうる他社よりも優れている要素、いい方を変えれ
ば、顧客から選ばれる理由と表現できます。しかし、テクノロジーの発展とと
もに業界の垣根が崩壊し、競合とすべき事業者は広がり続けています。
新市場を切り拓いたとしても、後発参入のスピードも速くなる中、顧客に選
ばれるだけではなく、事業として存続し続けられる持続性がより重視される時
代となりました。優位性には、持続性の観点も不可欠なのです。
したがって本書では、優位性を「顧客に選ばれる理由、選ばれ続ける理由」
と定義します。顧客から選ばれる理由を「フック」、顧客に選ばれ続ける理
由を「ロック」とよび、これら 2 つの要素により優位性は構成されるもので
あるととらえています(
図 9-1
)。
第
9
章
優位性を見出す
138