1.4 ベイズの定理を使ったクリック率の推論

さて、話をアリスとボブのレポートに戻しましょう。図1.2で示したように、デザイン案がクリックを生み出す確率、すなわちデザイン案固有のクリック率\thetaは分析者には知りえませんが、それに対する信念と呼ばれる確率分布p(\theta)を持っているのでした。これは分析者が思い描くパラメータ\thetaの確率分布であり、ベイズ推論の枠組みの事前分布もしくは事後分布に相当するものです。あらかじめ分析者が持っている信念を、観測されたデータとベイズの定理を用いて更新することで、より有用な信念を獲得できます。

最初にどのような事前分布を設定するかは分析者次第です。もし事前になにか手がかりになる情報を持っているのならば、それを信念に反映させることもできます。ここでは事前にまったく手がかりとなる情報がないものとして、すべての値に対して等しい確率を考える一様分布を事前分布として採用することにします。はクリック率を表す確率変数であり、0以上1以下の値を取るので、この一様分布のパラメータはとなります。したがって ...