7.4 コンピュータと対話して最適な色を探す
それでは、このガウス過程をベイズ最適化に応用していきましょう。ベイズ最適化のアルゴリズムと、これまでに紹介してきたバンディットアルゴリズムの間には強い関係があります。実際、文脈つきバンディット問題の解法として紹介したバンディットアルゴリズムが持つ統計モデルをガウス過程に変更するだけで、有用なアルゴリズムを構成できます。具体的なアルゴリズムの解説に入る前に、まずはここで取り扱う例題を説明します。
7.1.1項でBingの事例を紹介したように、色は人間の行動に大きな影響を与える要素のひとつです。色を少し濃くしてコントラストを付けたり、色温度を変えたりするだけで、人間が受ける印象は変化します。しかし、どのような色が目的とする人間の行動を最大限に引き出すのかをあらかじめ知ることは至難の業です。実際にターゲットとするユーザに見てもらい、反応してもらい、行動してもらわないとわからないことも多いでしょう。だからこそ、さまざまな企業が提供するウェブサービスやプロダクトの色を変えてみて、A/Bテストやマーケティング調査を行っているのです。
それでは、このような実験はどのように計画すればいいでしょうか?もちろん、いくつか有望そうな色をピックアップして試してみるのもいいでしょう。それならば、これまでに本書で説明してきた計画方法で問題ありません。しかし、この方法で生み出されるデザイン案はあくまで私たちの想像の範疇なので、あまり思い切った案は生まれないとも考えられます。
一方、もしありとあらゆる色の中から最適な色を探し出せるとしたらどうでしょうか?もちろん、箸にも棒にもかからないような案が生み出される可能性はありますが、思いつきもしなかったようなデザイン案が生まれ、好ましい反応を引き出す可能性もあります。しかし、こうなると考慮すべきデザイン案の量は膨大になりますから、今までと同じ方法では実験ができそうにありません。ベイズ最適化がこのような問題をどのようにして解決するのか、これから見ていきましょう。 ...
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