訳者まえがき
本書は、James Serra氏によって書かれた“Deciphering Data Architectures”の日本語版です。近年、データを取り巻く環境は加速度的に変化しています。企業が競争力を維持し、意思決定を迅速かつ正確に行うためには、データはもはや欠かせない資産です。そして、そのデータをどのように蓄積し、整理し、活用していくか、その根幹を成すのがデータアーキテクチャです。
本書は、データアーキテクチャを体系的かつ実践的に理解できるよう構成されており、基礎概念から最新アーキテクチャまで一貫して学ぶことができます。
第I部では、ビッグデータの概念から始まり、データアーキテクチャを理解するための土台となる知識が丁寧に解説されます。データ領域の学習をこれから始める方にとって、最初の指針となるパートです。
第II部では、リレーショナルデータウェアハウスやデータレイクといった、データアーキテクチャを構成する重要な要素について深堀りします。これらの概念を理解することで、後半の内容がより明確に捉えられるようになるでしょう。
第III部では、現在注目を集めるモダンデータウェアハウス、データファブリック、データレイクハウス、データメッシュについて、メリットだけでなくデメリットや適用上の懸念事項まで、筆者の豊富な経験に基づいて紹介されます。単なる比較ではなく、設計思想やアーキテクチャ選択の背景にまで踏み込み、読者が意思決定するための示唆を与えてくれます。
そして第IV部では、しばしば軽視されがちな「人」と「プロセス」が扱われます。どれほど優れたツールやテクノロジーを導入しても、組織文化が伴わなければデータ活用は成功しません。本書はその点を明確にし、現場で役立つ知見を提供してくれます。 ...
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