まえがき
最新テクノロジーを活用する企業の歴史において、データを取り巻く環境がこれほど劇的に発展した例はありません。変化のペースが加速する中で、データ活用のエコシステムは一層複雑化しています。とりわけ、組織とサプライヤーや顧客を結ぶバリューチェーンでは、その複雑さが飛躍的に高まっています。データは今やあらゆる場所で流通し、デジタルトランスフォーメーション、自動化、人工知能、イノベーションといった取り組みを支える基盤です。組織にとって、データは戦略を根本から変革し得る、極めて重要かつ戦略的な資産となっています。
変化のペースが速まる中、組織のデータアーキテクチャを最適な状態に保ちつづけることは、適応力の維持や相互運用性・メンテナンス性の向上において、ますます重要になっています。本書では、レジリエントなアーキテクチャを設計する場合であれ、技術的負債を削減する場合であれ、データアーキテクトが最適な判断を下せるよう、James Serra氏が明確なガイドラインを提示しています。
データエンジニアやアーキテクトとの会議が、まるで『ディルバート』の漫画のようだった、という話は多くの人が耳にしたことがあるでしょう。誰も同じ言語を話しているように感じられず、決定事項が複雑で理解しにくいという経験です。James氏は、概念を明確に説明し、疑問点を解消し、誤解を正し、落とし穴を避ける方法を示すことで、データアーキテクチャの現場で役立つ知識を提供します。その結果、読者は根拠に基づいて、自信のある判断を下せるようになります。リーダーとしての私の立場から見ても、本書はチームに共通の言葉とリファレンスを与え、データチームの連携を強化するうえで非常に有用だと感じています。
約15年前にJames氏と出会ったとき、彼はデータベース管理の専門家から、ビジネスインテリジェンスやアナリティクス分野へとキャリアを広げることを模索していました。新しい知識を学び、それを社会に役立てたいという彼の飽くなき情熱は、私に強い印象を残しました。そしてその情熱は、今もなお彼を突き動かしつづけています。ブログ記事・プレゼンテーション・講演を通じて共有してきた豊富な経験が、本書という形で結実しました。本書は、データに携わるすべての人々にとって、不確実な未来を乗り越えるための貴重な指針となるでしょう。 ...
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