Kubernetesで実践するクラウドネイティブDevOps

7章Kubernetesの強力なツール

愛車のメカニックに言われたんだ、「ブレーキは修理できなかったんで、クラクションが大きく鳴るようにしといたから」

――Steven Wright（米国のコメディアン、俳優、映画製作者、1955～）

著者らはよく次のように質問されます。「Kubernetesには多くのツールがあるようですが、どう思われますか。私には必要でしょうか。必要だとしたら、どれでしょうか。何をしてくれるのでしょうか」

この章では、Kubernetesを使用する作業に役立つツールやユーティリティの広大な世界を少しだけ探索します。kubectlの高度な使用方法を示し、便利なユーティリティもいくつか紹介します（jq、kubectx、kubens、kube-ps1、kube-shell、Click、kubed-sh、Stern、BusyBoxなど）。

7.1　kubectlを極める

kubectlについては、すでに2章から使い方を紹介してきました。Kubernetesを操作するための最も主要なツールですから、基本はすでに習得している方もいるでしょう。以下では読者がまだ知らないかもしれないヒントやコツも含め、kubectlのさらに高度な機能について説明します。

7.1.1　シェルエイリアス

ほとんどのKubernetesユーザが日常の作業を楽にするために最初に活用している便利機能の1つは、kubectlコマンドのシェルエイリアスを作成することです。例えば、著者らの.bash_profileファイルには、次のエイリアスが設定してあります。

alias k=kubectl

これでkubectlと毎回フルスペルで入力する代わりに、kという省略形が使えるようになります。

k get ...