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Kubernetesで実践するクラウドネイティブDevOps
book

Kubernetesで実践するクラウドネイティブDevOps

by John Arundel, Justin Domingus, 須田 一輝, 渡邉 了介
February 2020
Intermediate to advanced
384 pages
5h 31m
Japanese
O'Reilly Japan, Inc.
Content preview from Kubernetesで実践するクラウドネイティブDevOps

16章Kubernetesにおけるメトリクス

自分が完全に無知となる対象については、非常に多くを知ることのできる可能性がある。

――Frank Herbert(米国のSF作家、1920~86)、“Chapterhouse: Dune”†1

[†1] 編注:引用は本書独自の翻訳です。“Chapterhouse: Dune”の邦訳は『デューン 砂丘の大聖堂』(早川書房)が出版されています。

この章では、15章で紹介したメトリクスという概念について、さらに詳しく説明します。具体的には、メトリクスの種類、クラウドネイティブサービスにとって重要なメトリクス、フォーカスすべきメトリクスの選択方法、メトリクスデータを分析して実用に役立つ情報を導き出す方法、生のメトリクスデータを有益なダッシュボードやアラートへと変換する方法について説明します。最後に、メトリクスを管理するためのツールやプラットフォームで候補となりうる選択肢を概観します。

16.1 メトリクスとは実際のところ何か

オブザーバビリティに対するメトリクス中心のアプローチはDevOpsの世界では比較的新しいものであるため、最初に少し時間を取って、メトリクスとは正確には何であり、どのように使用するのがベストかを考えてみましょう。

15章「15.1.5 メトリクスの導入」で説明したように、メトリクスとは特定の対象を測定した数値です。従来からサーバの世界で使い慣れている例としては、特定のマシンのメモリ使用率があります。物理メモリの10%が現在ユーザプロセスに割り当てられているだけなら、このマシンの容量には余裕が十分にあります。メモリの90%が使用中なら、おそらくマシンはかなりビジー(busy)な状態でしょう。

つまり、メトリクスが提供してくれる有益な情報の1つは、特定の瞬間における状況のスナップショットです。しかし、メトリクスはより多くのことを示してくれます。メモリ使用率はワークロードの開始や終了に応じて常に上下しますが、時間の経過に伴うメモリ使用率の ...

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