February 2020
Intermediate to advanced
384 pages
5h 31m
Japanese
私は仰向けの姿勢で打ち上げに備えていたが、約2,000トンの燃料つまり爆発物に縛りつけられているようなものなのに、とても冷静で集中していることに我ながら驚いていた。
――Ron Garan(米NASAの宇宙飛行士、1961~)
この章では、作成したマニフェストファイルからアプリケーションを実行する方法という問題を扱います。アプリケーション用のHelmチャートをビルドする方法を説明し、Kubernetesの標準機能に代えてマニフェスト管理に利用できる各種のツールも紹介します(ksonnet、kustomize、Kapitan、komposeなど)。
2章では、YAMLマニフェストから作成されるKubernetesリソースを用いてアプリケーションをデプロイおよび管理する方法について説明しました。すべてのKubernetesアプリケーションをこのように生のYAMLファイルだけで管理しても全然かまわないのですが、これは理想的な方法ではありません。必要なファイルの保守が難しいだけでなく、配布の問題もあるからです。
あるユーザが自分のアプリケーションを他の人々にも各自のクラスタで利用してもらいたいとします。対象者にはマニフェストファイル一式を配布できますが、受け取った各ユーザは当然ながら、それぞれ独自の環境に合わせて設定の一部をカスタマイズする必要があります。
これを行うためには、独自の環境で使うためにKubernetesの設定(=マニフェストファイル)をコピーし、各種の設定値が定義されている場所(おそらくは同じ情報が何か所かで使われています)を見つけて、適切に編集しなければなりません。