
54
■
2
章 データと標本の分布
無作為抽出は常に簡単に行えるわけではない。利用できる母集団の適切な定義が鍵
となる。顧客の代表的なプロファイルを作ろうとして、顧客アンケートのための調査試
験をする必要があるとしよう。調査は代表的でなければならないが、そのためには多
大の労力が必要となる。
まず、顧客とは誰であるかを定義する必要がある。購入実績のあるすべての顧客の
記録を選ぶこともできる。過去の顧客すべてを含めるのだろうか。返金を求めた顧客
を含めるのか。内部の試験販売はどうするか。転売業者や請求代行業者は母集団に含
めるのか。
次に標本抽出の手続きを決める必要がある。「
100
人 の 顧 客 を 無 作 為 に 選 択 す る 」こ
とかもしれない。標本抽出のフローが含まれる(例:実時間の顧客トランザクションや
Web
訪問者)なら、タイミングを考える必要がある(例:平日の午前
10
時の
Web
訪問
者は、週末の午後
10
時の
Web
訪 問 者 と は 異 な る は ず )。
層化抽出では、母集団を層別にグループ分けして、各層で無作為抽出標本を使う。
世論調査では、白人、黒人、ヒスパニックから投票傾向を調べようとする。母集団から
の単純無作為標本では、黒人やヒスパニックの人数が少なすぎるので、層化抽出によ
る重み加算でサンプルサイズを等しくする。
2.1.3
サイズと品質:サイズが問題になる場合
ビッグデータ時代に、データサイズが小さい方がよいというのは驚くべきことかもし
れない。無作為抽出に費やされる時間と努力は、バイ ...