24章経済性:時間価値とオプショナリティ
どういうわけか、私は30代半ばまでお金の本質についてまったく理解していなかった。モノを売り買いし、お金を「稼ぐ」ことはできたが、お金の動きの仕組みはまったく理解していなかった。
コンピューティングが救ってくれた。金融関連のプロジェクトで、私はお金に関する基本的な概念のプログラミングを余儀なくされた。私はプログラミングを通じて世界を理解するなかで、お金について理解し始めた。時が経つにつれて、その教えは私の直感に染み込み、開発の見方が変わっていった。
ジェイムズ・バカンは『Frozen Desire』(Picador、邦訳『マネーの意味論』青土社)のなかで、私たちには何か欲しいがすぐに欲しいわけではないということがよくあり、お金とはこの「凍った欲望」を表しているのだと述べている。1か月食べるのに十分な価値を生んだが、1か月分の食糧を備蓄したくはない。そういうときに生んだ価値を蓄えておき、1週間ごとに新鮮なレタスに交換できれば非常に便利だ。
しかし、お金とは不思議なものだ。お金にはそれ自身の性質がある。お金の性質と仕事におけるお金の重要性の組み合わせは、緊張をもたらす。プログラマーとして理にかなっていることであっても、お金の本質に反していることもある。ギークな要求とお金の要求がぶつかると、お金が勝つ。結局は。
私はお金の本質についての教えが直感に染み込むと、プログラミングに対する考え方が変わっていくのがわかった。今やお金の本質と矛盾するところでは、私にとって完璧に理にかなっていた戦略すら奇妙に見える。副次的で、大雑把で、浅はかに見えた戦略は、単なる合理的なマネー・マネジメントになった。商流の流れに乗って漕げば漕ぐほど、私のボートは速くなった。 ...
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