ゼロトラストネットワーク 第2版 ―境界防御の限界を超えるためのセキュアなシステム設計
by Razi Rais, Christina Morillo, Evan Gilman, Doug Barth, 鈴木 研吾
5章
デバイスの信頼
ゼロトラストネットワークにおいて、デバイスを信頼することは非常に重要です。デバイスのセキュリティは全体のセキュリティ方針や目標に大きな影響を与える可能性があるため、信頼するかどうかは非常に難しい判断です。ほとんどの侵害は、悪意のある攻撃者が信頼されたデバイスへのアクセスを獲得することから始まります。一度アクセス権限を取得されると、デバイスは自身の安全性を証明できなくなります。本章では、ネットワークに展開されたデバイスを十分に信頼するために必要な多くのシステムとプロセスについて説明します。これらのシステムそれぞれが、デバイスを真に信頼するという大きな目標を達成するうえで果たす役割に焦点を当てます。各システムやプロセスはそれ自体が複雑なため、ここでは詳細に踏み込みすぎず、要点に絞って解説します。ただし、これらの技術を理解し、活用する際の落とし穴を回避できるよう、必要な情報はできる限り詳述します。
まず、デバイスがどのように信頼を獲得するかを理解するところから始めましょう。
5.1 信頼のブートストラップ
新しいデバイスを入手したとき、通常はメーカーおよび販売者と同レベルの信頼がデバイスに割り当てられます。大体のケースにおいて、この信頼レベルはかなり高くなります(それ自体が正当かどうかは別として)。しかし、メーカーや販売者から継承された信頼は純粋に物理的な世界にのみ存在するため、何らかの方法で、この信頼をデバイスに「注入」する必要があります。
ハードウェアにこの信頼を注入(および保持)する方法はいくつかあります。デバイスのエコシステムは広範なため、注入のアプローチはケースバイケースになります。しかし、全体に共通する基本的な原則がいくつかあり、差分は詳細な実装側でカバーされます。 ...
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