ゼロトラストネットワーク 第2版 ―境界防御の限界を超えるためのセキュアなシステム設計
by Razi Rais, Christina Morillo, Evan Gilman, Doug Barth, 鈴木 研吾
付録
ネットワークモデル入門
ネットワークスタックは、ネットワーク上でデータを転送するための多くの責務を負います。そのため、ネットワークスタックが混沌としたコードの塊にならないよう、標準化団体はレイヤーセットを明確に定義しネットワークスタックを標準化する取り組みを行ってきました。各レイヤーはデータをネットワーク上で転送する際に一部の役割を担当し、下位レイヤーは上位レイヤーに機能と保証を提供します。
これらのレイヤーを構築することはコードを整理するだけでなく、新しい技術がスタックのどこで動作するかを説明するためにもよく使用されます。例えば、レイヤー7やレイヤー4のロードバランサーという言葉を聞いたことがあるかもしれません。ロードバランサーはバックエンドマシン群にトラフィック負荷を分散しますが、動作するレイヤーによってその機能が大きく変わります。例えばレイヤー7ロードバランサーは、レイヤー7で動作するHTTPリクエストのパスや特定のヘッダーなどの詳細を検査しトラフィックをルーティングします。一方、レイヤー4ロードバランサーはレイヤー7のデータを考慮せず、送信元IPやポートなどの単純なコネクションの詳細に基づいてトラフィックを転送します。
多くの異なるネットワークモデルがあります。これらのモデルの多くは他のネットワークモデルと大まかに対応付けられますが、境界が曖昧な場合もあります。本書では、OSI(Open Systems Interconnection)ネットワークモデルとTCP/IP(インターネットプロトコルスイート)ネットワークモデルの2つに焦点を当てます。これら2つのモデルの境界を理解することで、ゼロトラストの責務をネットワークモデルのどこで扱うべきかについての後の議論に役立ちます。 ...
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