2章パターナリスト症候群
本章の内容
- プロセスにおける障壁を安全装置に置き換える方法
- ゲートキーパーという概念の理解
- 自動化によるゲートキーパーの排除
- 承認プロセスを自動化する際に生じる問題の解決方法
組織の中では、あるグループがほかのグループに比べて圧倒的な力を持っているように見えることがあります。こういった権力は、あるリソースへのアクセス制限や承認プロセスから生じます。たとえば、運用グループがシステムの変更に対して広範なレビュープロセスを実施するよう要求する場合がそうです。また、セキュリティチームが1984年以降に開発された技術をほかのチームが採用することを禁止する場合もあるでしょう。ほかにも、開発グループが自分たちの目が届かないところでの変更を可能にするツールの構築を拒否するかもしれません。
もとをたどれば、このような強硬な規則や命令を正当化するような出来事があったはずです。しかし、チームをより効果的にする意図で作られたものが、むしろチームを停滞させてしまうのです。もしあなたが自分の会社やチームでこのようなことを経験したことがあるなら、それはあなただけではありません。
私はこれをパターナリスト†1症候群と呼んでいます。これは、あるグループがほかのグループに対して親のような関係を築いていることから名付けました。パターナリスト症候群では仕事の進め方やタイミングをゲートキーパーと呼ばれる、権力を持つ人に委ねます。このような権力の集中は、最初は賢明な判断のように見えますがすぐに生産性の低下を招きます。
[†1] 訳注:親子関係のように、強い立場にある者が弱い立場の者に対して介入することを指す。https://ja.wikipedia.org/wiki/パターナリズム
本章では、ゲートキーパーがプロセスに導入される一般的な例を紹介します。そしてゲートキーパーをプロセスに導入することで生じる、見過ごされがちな悪影響を説明します。その後、プロセスやゲートキーパーが本来実現しようとしていた安全性の向上とはどういったものなのかを例を使って説明します。 ...
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