9章せっかくのインシデントを無駄にする
本章の内容
- 非難のないポストモーテムの実施
- インシデント発生時に人々が持つメンタルモデルへの対応
- システムの改善を促進するアクションアイテムの作成
予期せぬ、あるいは計画外の出来事が起きてシステムに悪影響を及ぼす場合、その出来事をインシデントと定義します。会社によっては、この言葉は大規模な壊滅的イベントのみを表す場合もありますが、このように広く定義することで、インシデントが発生したときにチームで学習する機会を増やすことができます。
これまで述べてきたように、DevOpsの中心にあるのは継続的な改善という考え方です。DevOpsの組織では、漸進的な変化が勝利をもたらします。この継続的な改善の原動力となるのは、継続的な学習です。新しいテクノロジ・既存のテクノロジ・チームの運営方法・チームのコミュニケーション方法に加えて、これらがどう相互に関連して、エンジニアリング部門という人間と技術のシステムを形成しているのかを学ぶのです。
学びの場として最適なのは、物事がうまくいったときではなく、うまくいかなかったときです。物事がうまくいっているときは、自分がシステムについて知っていると思っていることと、システムの中で実際に起こっていることが、必ずしも矛盾しないのです。たとえば15ガロンのガソリンタンクを搭載した車があるとします。そして、あなたはなぜかそのガソリンタンクの容量が30ガロンだと思い込んでいました。しかし、10ガロンほど使い切ったらガソリンを入れるという習慣があったため、ガソリンタンクの容量に対するあなたの理解と、現実は対立しませんでした。この状態で何度車に乗っても、現実に関する新しい学びは得られません。しかし、いざ長距離ドライブをしようと思った場合、15ガロンを消費した時に問題が発生します。そのうちに自分の愚かさに気付き、新しい情報を得て適切な注意を払うようになります。 ...
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