序文
私はDevOpsに関するものであれば何でも熱心に読みます。私がテクノロジの分野に携わるようになったのは、ニューヨーク州北部にある地方の保険会社で働き始めたころでした。その会社は、その地方では大きな規模でしたが、テクノロジの世界では決して強力な存在とは言えませんでした。私の友人の多くは同じような会社で働いていました。そういった会社でもテクノロジは重要ですが、それ自体が製品というわけではなく、あくまでも顧客が購入する商品やサービスを提供するための手段でしかありませんでした。
それから10年が経ちました。私はシカゴに移り住み、地元のテクノロジ業界に関わるようになりました。シカゴにはテクノロジを製品とする企業がたくさんあります。 そういった企業は、私がそれまで経験したよりも、技術的に洗練され、新しいアイデアや手法の最先端を行っていました。
しかし、こういった業界にいる人々の多くは似た考えを持っています。この同質性がフィルタバブル†1やエコーチェンバー†2のようなものを生み出し、誰もが同じような進化の段階にあると考えてしまうのです。しかし、それは事実とまるでかけ離れています。この断絶こそが、本書のきっかけとなりました。
[†1] 訳注:検索エンジンなどのフィルタによって自分が見たくない情報が遮断された結果、自分が見たい情報しか目に入らなくなる状態のこと。
[†2] 訳注:同質的な人々のグループの中でのコミュニケーションを繰り返すことで、そのグループの中で受け入れられる考えが強化され、正しいものとして疑わなくなる状態のこと。
人々はFacebookやApple、Netflix、Uber、Spotifyのブログ記事を読んで、自分たちも成功するには、これらの大成功を収めている人気企業と同じ方法を踏襲する必要があると考えてしまいます。DevOpsの実践についても同じことが起きています。DevOpsを実践している人たちと何度か話した後、DevOpsを正しく行うためにはパブリッククラウド上でDockerを実行し、1日に30回デプロイしなければならないと結論づけてしまいます。 ...
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