11章命じられた文化
本章の内容
- 文化を構成する要素の理解
- 文化が行動に与える影響
- 変化を促すための新しい文化的振る舞いの創出
- 企業文化にマッチした人材の採用
- 採用面接の構成
命じられた文化というアンチパターンは、組織の文化が、メインロビーに飾られているくどい声明やプレートに記されているものの、実際には具体的な形では存在していない場合に発生します。文化は、育て、発展させ、言葉だけではなく行動で示されなければなりません。
ほとんどの採用面接で「御社の企業文化はどのようなものですか?」という質問を受けます。こういった質問を多く受けるということは、企業文化が持つ重要性と重みを示唆しています。しかし、面接官から返ってくる答えは、必ずしも真実ではなく実証できるものでもありません。返ってくるのは、その意味や真実かどうかを疑うことすらしないほどに染み付いている文章やキャッチフレーズの羅列でしかないのです。
もしあなたが本章のタイトルを見て、「うちの会社にはすでに卓球台とビールタップがあって、文化には定評がある!」と思っているのなら、本章を2回読んだほうが良いでしょう。文化とは、オフィスパーティでの楽しいアクティビティや、休憩室に用意されているグルテンフリーのスナックの種類の多さではありません。
エンロンは、2000年にフォーチュン誌の「アメリカで最も働きがいのある100社」の1つに選ばれ(https://mng.bz/emmJ)、その要因として、文化とすばらしい従業員が挙げられていました。しかしエンロンの実際の文化は、公言された文化とは根本的に異なることがすぐに明らかになりました。トップから現場の従業員に至るまで、貪欲さが組織を活気付けていました。福利厚生は従業員を大切にするようなものであったかもしれませんが、会社を導く倫理基準は腐っていました。2001年12月にはアメリカ史上最大の財務会計スキャンダルでエンロンは破産申請しました。エンロン破綻の犠牲者たちは、最高の年末パーティができたことでしょう。 ...
Become an O’Reilly member and get unlimited access to this title plus top books and audiobooks from O’Reilly and nearly 200 top publishers, thousands of courses curated by job role, 150+ live events each month,
and much more.
Read now
Unlock full access