Googleのソフトウェアエンジニアリング ―持続可能なプログラミングを支える技術、文化、プロセス
by Titus Winters, Tom Manshreck, Hyrum Wright, 竹辺 靖昭, 久富木 隆一
監訳者まえがき
私がGoogleに入社した際に最も印象に残っていることの1つは、同僚のソフトウェアエンジニアたちの飛び抜けた優秀さでした。彼らは卓越したプログラミング能力と確かな技術知識を持ち、人間的にも親切で尊敬できる人たちでした。コードレビューでは私が書いたコードにあっという間に数十のコメントが付き、圧倒されたものです。
しかし、ビジネス要件や技術が常に変化する環境において、Googleのような規模のソフトウェア開発では、単に優秀なプログラマーを集めて優れたコードを書くだけでは長期的な成功は望めません。変化に対応しつつコードベースを持続可能な形で発展させていくためには、優れたチーム作りに加えて、様々なプロセスやツールを組み合わせた包括的なアプローチが必要になります。以前から繰り返し語られているように、ソフトウェアエンジニアリングにおいて銀の弾丸は存在しないのです。
本書は、そうしたGoogleでの長年のソフトウェア開発を支えてきた様々なベストプラクティスを、文化、プロセス、ツールの側面からまとめたものです。それらのベストプラクティスは、ユニットテストの書き方やコードレビューのプロセスといった技術的なものから、いかに複数のチームを率いるか、ソフトウェアエンジニアリングにおけるダイバーシティ、エクイティ(公正さ)、インクルージョンの必要性、といったものまで多岐にわたります。
Googleの日本法人でソフトウェアエンジニアをしている私の日常業務でも、実際にこれらのベストプラクティスは活用されています。例えば、文化のパートで紹介されている謙虚、尊敬、信頼の社会交流の三本柱は、国籍や性別などが様々なメンバーからなるチームで働く上で極めて重要な原則になっています。また、本書で紹介されているプロセスやツールのほとんどは、社内で仕事をするためには知っていなければならないものです。 ...
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