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Googleのソフトウェアエンジニアリング ―持続可能なプログラミングを支える技術、文化、プロセス
book

Googleのソフトウェアエンジニアリング ―持続可能なプログラミングを支える技術、文化、プロセス

by Titus Winters, Tom Manshreck, Hyrum Wright, 竹辺 靖昭, 久富木 隆一
November 2021
Intermediate to advanced
684 pages
10h 37m
Japanese
O'Reilly Japan, Inc.
Content preview from Googleのソフトウェアエンジニアリング ―持続可能なプログラミングを支える技術、文化、プロセス

7章エンジニアリング生産性の計測

Ciera Jaspen 著

Riona Macnamara 編

 Googleはデータ駆動の企業である。我々は、自社の製品と設計についての決定の大半を、信頼性の高いデータによって裏づけている。適切なメトリクスを用いたデータ駆動の意思決定の文化には短所もいくつかある。だが、データに依存することで大半の決定が主観的というよりは客観的となる傾向が総じてあり、そのことは良いことである場合が多い。とはいえ、物事の人間的側面に関するデータの収集と分析には、固有の課題がある。ソフトウェアエンジニアリングの枠内に限って見ると、Googleにおいてわかってきたことがある。それは、エンジニアリングの生産性それ自体に専念する専門家のチームを擁することは非常に有用かつ重要である、ということだ。自社がスケールするにつれてそのようなチームの見識を活用することができるからだ。

7.1 何故エンジニアリング生産性を計測すべきなのか

 あなたが繁盛しているビジネスを経営していて(例えば、オンライン検索エンジンを運営していて)、ビジネスの対象範囲を広げる(エンタープライズアプリケーション市場かクラウド市場かモバイル市場へ参入する)ことを望んでいると仮定してみよう。おそらく、ビジネスの対象範囲を拡大するには、エンジニアリング組織の規模も拡大しなければならないだろう。しかし、組織が線形に規模を拡大するにつれて、コミュニケーションのコストは二次関数的に増大する†1。人員の追加はビジネスの対象範囲の拡大には必要だろうが、コミュニケーションのオーバーヘッドのコストは、さらなる社員の追加に伴い線形にはスケールしないだろう。結果として、エンジニアリング組織の規模に対して線形にビジネスの対象範囲をスケールさせることはできないだろう。 ...

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