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Googleのソフトウェアエンジニアリング ―持続可能なプログラミングを支える技術、文化、プロセス
book

Googleのソフトウェアエンジニアリング ―持続可能なプログラミングを支える技術、文化、プロセス

by Titus Winters, Tom Manshreck, Hyrum Wright, 竹辺 靖昭, 久富木 隆一
November 2021
Intermediate to advanced
684 pages
10h 37m
Japanese
O'Reilly Japan, Inc.
Content preview from Googleのソフトウェアエンジニアリング ―持続可能なプログラミングを支える技術、文化、プロセス

6章スケールするリーダー

Ben Collins-Sussman 著

Riona MacNamara 編

 5章では、「IC」である状態から移行してチームの明示的なリーダーとなることが何を意味するのかについて論じた。1つのチームを率いるところから、関連する一連のチーム群を率いるところへ移るのは、自然な進展である。本章は、エンジニアリング管理職の進路を引き続きたどっていく過程において、職務要件に見合う能力を発揮する方法を論じている。

 役職が進展していく間も、これまでの全てのベストプラクティスは依然として適用可能である。あなたは相変わらず「サーバントリーダー」だ。単に、より大きな集団に仕えているにすぎない。そうは言っても、解くことになる問題の範囲はさらに大きくなり、より抽象的なものとなる。次第に「よりハイレベル」になることを強いられるのだ。それは、物事の技術的(technical)または工学的(engineering)な詳細に入り込んでいける度合いがどんどん低下し、「深く」というより「広く」事を進めるように追い込まれるということである。このプロセスはどの段階でも不愉快なものだ。すなわち、あなたは上述の詳細をつかめなくなったことを嘆き、それまでに自分が持っていたエンジニアリングの専門知識が自分の仕事に対して持つ関連性が薄くなるばかりであることを悟る。代わりに、職務要件に見合う能力を発揮できるかどうかは、一般的な(general)技術面での直感と、適切な方向に動くようエンジニアを刺激する能力とに、いまだかつてないほどに依存している。

 このような過程は、意気消沈させるようなものであることが多い。ただそれも、ある日、それまでICであったときに持っていたよりはるかに大きなリーダーとしての影響力を、自分が実際に持っていると気づくまでのことだ。それは、会心の、しかしほろ苦い悟りである。 ...

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