オブザーバビリティ・エンジニアリング

14章オブザーバビリティとソフトウェアサプライチェーン

この章は、SlackのシニアスタッフソフトウェアエンジニアであるFrank Chenが寄稿しています。

Charity、Liz、Georgeからのノート

これまで本書では、あなたが書いたコードと、そのコードが本番環境でどのように動作するかに関連するオブザーバビリティについて検討してきました。 しかし、実稼働はコードのライフサイクルの1つのステージに過ぎません。 実運用に入る前に、ビルドパイプラインを使用してコードを自動的にテストし、デプロイすることは一般的なプラクティスです。 継続的インテグレーション（CI）／継続的デプロイ（CD）のアーキテクチャやプラクティスを具体的に掘り下げることは、パイプラインの問題をデバッグするためにオブザーバビリティを利用する方法を除いて、この本の範囲を超えています。

あなたのコードが遭遇する、常に変化する環境は本番環境だけではありません。 ビルドパイプラインを実行するために使用するシステムも、予期せぬ、しばしば予測不可能な方法で変化する可能性があります。 この本で説明したアプリケーションと同様に、ビルドシステムのアーキテクチャも、モノリシックなシングルノードから、並列処理を大規模に実行するビルドファームまで、さまざまなものがあります。 より単純なアーキテクチャのシステムは、潜在的な障害を推論することで簡単にデバッグできるかもしれません。 しかし、システムがある程度複雑になると、CI/CDパイプラインで何が起こっているかを理解するために、オブザーバビリティが不可欠な、時には必須のデバッグツールになりえます。 本番環境と同じように、不十分な統合、目に見えないボトルネック、問題の検出やその原因のデバッグができないといった問題も、ビルドシステムを苦しめる可能性があります。 ...