第Ⅱ部オブザーバビリティの基礎

本書の前半では、「オブザーバビリティ」の定義、現代のシステムにおける必要性、従来の慣行からの発展、そして現在の実際の使われ方について検討しました。 第II部では、技術的な側面から、なぜオブザーバビリティがあるシステムにおいて特定の要件が必要なのかについて詳しく説明します。

5章 では、オブザーバビリティのあるシステムを構築するために必要な基本データ型である、任意の幅の構造化イベントを紹介します。 このテレメトリーのための基本的なデータ型が、この章の後半で説明する分析を可能にします。

6章 では、分散トレースの概念を紹介します。 この章では、トレースデータが単に相互に関連する一連の任意の幅の構造化イベントであることを説明するために、トレースシステムがどのように動作するかを分解しています。 この章では、コード例を用いて、最小限のトレースを手動で作成する方法を説明します。

7章 では、OpenTelemetry プロジェクトを紹介しています。 6章 にある手動のコード例は、そのコンセプトを説明するのに役立ちますが、おそらく計装ライブラリから始めることが多いはずです。 あるベンダーの特定のソリューションに縛られるような専用のライブラリやエージェントを選択するよりも、好きなオブザーバビリティツールへの切り替えを容易にする、オープンソースでベンダー非依存な計装フレームワークから始めることをお勧めします。

8章 では、コア分析ループを紹介しています。 テレメトリーデータを生成して収集することは最初のステップに過ぎません。 そのデータを分析することで、オブザーバビリティを達成できます。 この章では、テレメトリーデータをふるいにかけて、関連するパターンを浮上させ、問題の原因を迅速に突き止めるために必要なワークフローを紹介します。 ...