6章ifとmatch
まわりの人々がみな冷静さを失い、君を非難しても君が冷静さを保っていられるなら……
—— ラドヤード・キップリング「If-」
5章までにさまざまなデータ例が登場したが、本格的な処理はまだ行っていない。ここまでは多くのコード例をインタプリタ上で手軽に試してきた。しかし本章では、データを眺めるだけでなく、実際に処理を行うためのPythonコードを学ぶ。
多くのプログラミング言語では、波括弧({と})やbegin、endといったキーワードでコードの範囲を示す。これらの言語でも、一貫したインデントで読みやすいコードにすることが推奨されている。コードを自動整形するツールも用意されている。
グイド・ヴァン・ロッサムは、のちにPythonとなる言語を設計していた際、インデントだけでプログラムの構造を定義できると考え、丸括弧や波括弧は使わないことにした。Pythonは、空白でプログラムの構造を表すという点で珍しい言語である。これは、Pythonに初めて触れた人が最初に気付く点の1つで、ほかの言語の経験がある人には奇妙に映る。しかし、しばらくPythonを書いていると、この方法が自然に感じられるようになり、意識しなくなる。タイピングが減る分、より多くの作業をこなせるようにさえなる。
序盤のコード例はいずれも1行だった。本章では、コメントの書き方と複数行にわたるコマンドの扱いについて紹介する。
6.1 #によるコメント
コメントはプログラム内に含まれるテキストで、Pythonインタプリタには無視される。コメントは、近くのPythonコードの意味を明確に伝えたり、将来修正すべき箇所を示すメモとして使ったり、その他さまざまな目的に利用できる。コメントは#文字で示す。#文字が現れた位置から、その行の末尾まではコメントになる。コメントは、次のように行全体をコメントとして記述する。 ...
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