第5章Wiresharkの高度な機能
Wiresharkの基本を習得したところで、次のステップとして解析とグラフ機能を習得しましょう。この章では、エンドポイントと[Conversations]ダイアログ、名前解決の詳細、プロトコルの分析、ストリームの解釈、IOグラフなどを含む強力な機能の一端を見ていきます。
これらはグラフィカルな解析ツールであるWireshark独自の機能であり、解析処理のさまざまな段階で役立ちます。ここに記載した機能をすべて試してから、次のステップへ進んでください。本書で紹介する実践的な解析のシナリオにおいて、これらの機能は何度も繰り返し登場するからです。
5.1 ネットワークのエンドポイントと対話
ネットワーク通信が行われるときは、最低でも2つの機器間でデータがやり取りされている必要があります。Wiresharkでは、ネットワーク上にあるデータを送受信する機器をエンドポイントと呼びます。2つのエンドポイント間で行われる通信が対話です。Wiresharkではエンドポイントと対話を、通信の属性、特にさまざまなプロトコルで使用されるアドレスに基づいて表示します。
エンドポイントはOSI参照モデルの各層に割り当てられたアドレスによって識別されます。たとえばデータリンク層であれば、機器固有のアドレスであるMACアドレスとなります(変更も可能ですが、必要になることはないでしょう)。ネットワーク層では、エンドポイントはIPアドレスによって識別され、これはいつでも変更が可能です。これらのアドレスの使い方については、このあとの章で説明します。
図5-1は、対話中の2つのエンドポイントを、アドレスから識別する2つの例を示しています。対話Aでは2つのエンドポイントがデータリンク(MAC)層で通信を行っています。エンドポイントAは00:ff:ac:ce:0b:de、エンドポイントBは00:ff:ac:e0:dc:0fというMACアドレスを持っています。対話Bは、2つの機器がネットワーク(IP)層で通信していることがわかります。エンドポイントAは192.168.1.25、エンドポイントBは192.168.1.30というIPアドレスを持っています。 ...
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