第12章セキュリティ問題とパケット解析
本書の大半はパケット解析を利用したネットワークのトラブルシューティングに割かれていますが、現実にはかなりのパケット解析がセキュリティ対応として行われています。これは不正侵入者を防ぐためにネットワークトラフィックを確認するアナリストや、侵入されたホストでのマルウェア感染の範囲を突き止めるフォレンジック調査官の仕事だったりします。
セキュリティ問題を調査するためのパケット解析は、攻撃者が制御している機器という不明な要素が関わってくることもあり、常にかなり困難です。攻撃者のところに行って質問したり、攻撃者の正常なトラフィックのベースラインを確認したりすることはできません。解析できるのは、攻撃者のシステムと自分のコンピュータ間でキャプチャした対話だけです。攻撃者はあなたのシステムに遠隔から侵入しているということは、ネットワークと何らかの形でやり取りしています。当然彼らもそれを知っているので、自分たちのテクニックがばれないようにする技術を持っています。
この章ではセキュリティ関係者の立場で、ネットワークレベルでのシステム侵入をさまざまな角度から見ていき、まずはネットワークの偵察、悪意あるトラフィックのリダイレクト、よくあるマルウェアのテクニックなどについて説明します。時には侵入アナリストとなって、侵入検知システム(IDS)からの警告をもとに、トラフィックを細かく分析します。本章を読めば、セキュリティを担当していなくても、ネットワークセキュリティの本質が理解できるでしょう。
12.1 偵察
攻撃者が最初に行うのは、標的とするシステムの徹底的な調査です。この段階を一般にフットプリンティングと呼び、標的とする企業のWebサイトやGoogleでの検索など、公開されているさまざまな情報を利用して行われます。調査が完了すると、攻撃者は開いているポートや実行されているサービスを見つけるため、標的のIPアドレス(またはドメイン名)のスキャンを開始します。 ...
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