第10章現場に即したシナリオの第一歩
この章からは、Wiresharkを使って現実のネットワークトラブルを分析する中で、パケット解析の本質を掘り下げていきます。それぞれのトラブルを取り巻く状況を解説するとともに、その時点でパケット解析者が入手していた情報を提供します。下調べを行ったら、パケット解析に移り、適切なパケットをキャプチャするための手法を説明し、解析作業を段階を踏んで説明します。パケット解析が完了したら、トラブルの解決方法、あるいは解決の糸口を提示して、ここで学んだことの概要を説明します。
パケット解析は非常に臨機応変な作業です。それぞれのシナリオの解析に用いた手法は、読者の手法とは異なるかもしれません。解析手法は人それぞれです。一番大切なのは、解析の結果トラブルが解決したか、たとえ解決できなかったとしても、その失敗から学習できたかといったことなのです。求めるものが得られなかったとしても、経験できたということが大切です。
また本章で説明するトラブルの大半は、パケットキャプチャツールを使わずに解決できるかもしれません。しかし、パケット解析の手法に初めて接したときに、パケット解析を用いて別の視点からありがちなトラブルに取り組むことが非常に役立つことに気づいたため、こうしたシナリオも提示しています。
10.1 Webコンテンツが表示されない
☞ http_espn_fail.pcapng
最初のシナリオを見てみましょう。パケット・ピートは、大学バスケットボールのファンですが、遅くまで起きていられないので、西海岸で行われている試合は見ることができません。朝起きると、まずコンピュータの前に座り、昨晩の試合結果をhttp://www.espn.com/でチェックします。ピートが今朝ESPNをチェックしていると、ページをロードするのに非常に時間がかかり、やっと終わったかと思ったら、画像とコンテンツが表示されていませんでした( ...
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