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20.7 推測統計
学術出版においては、図
20-5
や図
20-6
のような誤解を与えるグラフはほとんど見受けな
いだろうが、範囲、軸、その他のやり方で読者に誤解させるような試みがなされていないか
常に気を付けるのが賢明だ。残念ながら、このような欺瞞行為は一般メディアではよりあり
ふれており、一般大衆向けの出版物のグラフ情報を解釈する際には特に気を付ける必要があ
る。
20.6.4
外挿と傾向
2
変数間の既知の関係を、測定範囲を超えた傾向予測のために、外挿(
extrapolation
)す
るのは、ありふれたマーケティング手法だ。例えば、
S&P500
指数が過去
10
週間週ごとに
10
ポイント増加した場合に、投機家は次の週にも
10
ポイント上がると賭けるのに自信があ
ると思うかもしれない。この場合、単純な線形外挿が最良推定値を与えるのだが、株式市場
には多くのランダムな変動性が潜んでいるので、指数が過去の経験に従って常に上がるとは
限らない。系が線形でないなら、線形外挿は不適切となる。
傾向も見ることは有用で、多くの分野で慣例となっている。しかし、対象とする系が、決
定的でなく、ランダムな誤差の影響を受けたり、カオス的であるなら、傾向の有用性は限られ、
ひどく不正確で、結果を誤解させる可能性がある。論文で述べられた予測は、測定データの
範囲を超えたいかなる外挿もそうだが、すべて明白にそうと示され理由を述べるべきだ。
20.7
推測統計
ここまでで、研究計画と記述統計での統計的作業の報告によくある主要な問題について学 ...