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3 章 推測統計
に男性と女性の代表が入っているかもしれないが、その標本の人々はショッピングモールで
買い物をしているすべての男性と女性、ましてやその地域に住むすべての男性と女性を代表
しているだろうか。割り当て標本抽出は特定の種類の選択バイアスの影響も受け、これは恣
意的抽出でのリスクでもある。データ収集者は自分と最も似かよって見える人(例えば年齢)、
最も親切に見える人、最も近づきやすい人に働き掛ける可能性があるので、標本は大きな母
集団に関する情報を得る手段としてはさらに役に立たなくなる。
3.3.2
確率標本抽出
確率標本抽出では、母集団のすべての要素の標本に選ばれる確率がわかっている。非確率
標本抽出よりも実施するのが複雑であるが、標本から得た結果を対象となる母集団に一般化
できるので、研究者は確率標本抽出の方を望む。
母集団から確率標本を抽出するには、母集団から要素を特定して抽出できるようにある種
の抽出枠を研究者が考案する必要がある。母集団が学校に入学した生徒の場合、入学生全員
のリストは抽出枠としての役割を果たす。あまり最適でない抽出枠を使わなければいけない
場合もある。例えば、電話で実施する調査に電話帳や使用中の電話番号ブロックを利用する
場合、どちらの種類の電話抽出枠でも問題となるのは、電話サービスを利用していない人は
標本を抽出する母集団に入らないが、対象となる母集団には入る可能性があることだ。また、
電話帳に載っていない電話番号を持つ人や携帯電話サービスだけの人もこのような手法を