2章チームに成長してもらうためのリーダーシップ
永瀬 美穂
今でこそクライアント企業のチームをコーチしたり、大学で学生にアジャイル開発を教えたりする仕事についていますが、わたしは元々ソフトウェア開発者で、開発チームのメンバーであり、リーダーでもあり、また組織をマネジメントするラインマネージャーでもありました。そして、自分の組織やチームであってもよそ様であっても、会社員だろうと学生だろうと、人の学びや成長が促進されるとき、そこには何らかのリーダーシップが存在するのを見てきました。何らかのと書いたのは、リーダーシップにはさまざまなかたちがあるからです。リーダーシップの研究は20世紀初頭から続いており、現在はコンセプト理論と言われるものが主流です。中でも、サーバントリーダーシップについてはみなさんもご存知でしょう。
また同時に、人は他人が成長させようとして成長するほど単純なものではないという、考えてみれば当たり前のことを、つい忘れがちなリーダーも多く見てきました。そういう意味で、リーダーのための「チームを成長させるためのリーダーシップ」ではなく「チームに成長してもらうためのリーダーシップ」について書いてみようと思います。
チームに成長してもらうために獲得すべきリーダーシップやリーダーの振る舞いについて、獲得する順を追って挙げてみました。
- 自分が学び成長する
- 他人の成長に興味を持つ
- 権限を移譲する
- 成長の可視化を手助けする
- 生存期間を考える
自分が学び成長する
「親はなくとも子は育つ」といいますよね。育てようとか導いてやろうだなんておこがましい考えを捨てるところから、リーダーシップは始まるのではないかと思っています。
そのかわり、技術面にしろ何にしろ、あなたが学び成長しようとすれば、その姿を見た人は同じように学び成長しようとするでしょう。年齢やスキルが上の人であるほど、これを怠ってはいけません。最悪なのは「これを勉強したら?」「あの勉強会に参加したら?」「この本を読んだら?」と言うだけで、自分が外に出て見聞を広げたり本を読んだりしようともしない人です。同じ研修に出ろとか、他人に薦める前に同じ本を読めという話ではありません。学びと成長に対して積極的な姿勢を見せ実践しなければ、その言葉は説得力を持たないのです。 ...
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