アレックス・オスターワルダーとテンダイ・ヴィキによるまえがき
今回のバージョンの『Lean UX』は、日々進化を続けるデザイン、起業家精神、イノベーションの世界にタイムリーに貢献するものです。10年前、私たちは企業を相手に仕事をするとき、その企業の中核的な事業を超えるイノベーションを起こすことになぜ価値があるのかついて、リーダーを説得しなければなりませんでした。現在では、そのような説得をする必要はほとんどなくなりました。企業のリーダーは、イノベーションこそが企業に長期的な成長をもたらす最善策だと考えるようになったからです。
企業のリーダーはイノベーションの価値を理解するようになりましたが、別の課題がまだ残っています。自社のイノベーションの成果に満足しているリーダーはめったにいません。また、イノベーションチームの活動の大部分は、再現性のあるプロセスに従っていないように思えます。こうした状況のもと、今日のリーダーは、私たちに「再現性のあるイノベーションを実現するには、どのような仕組みやプロセスを導入すればよいのか?」と尋ねてくるようにました。
だからこそ、今回の第3版はとてもタイムリーだと言えます。私たちは、イノベーションは選ばれた一握りの人たちだけが特権的に行うものではなく、誰もが業務として取り組めるものであるべきだと考えています。イノベーションを業務にするためには、イノベーションに関わる人たちが日々の活動で使える正しいツールとプロセスの開発が必要です。これらのツールの使い方を学べば、誰もが組織に繰り返し価値を生み出せるようになります。これこそが、Lean UXがこの世界にもたらし続けている貢献なのです。
Lean UXの第1版の刊行後も、ソフトウェアやプロダクト開発における最大の嘘は、依然としてフェーズ2です。フェーズ2の基本的な考え方とは、「開発チームはロードマップに記されている作業は行うが、顧客の問題はローンチ後(つまりプロダクトのバージョン2で)対処すればいい」というものです。しかし問題は、いつまで経ってもフェーズ2は実現せず、欠陥のあるプロダクトやサービスが市場に残り続けてしまうことです。おそらく、これが新しいプロダクトやサービスのローンチの7割が失敗に終わる理由です。 ...
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