8章フィードバックループの設計
私たちの社会には技術を制御するためのフィードバックループ、すなわち意図された効果と実際に得られた効果を測定する方法が欠けている。
――ケヴィン・ケリー、『Wired』創刊編集長
7章では、提案を作る練習をした。自分自身や他者の知識と経験を織り交ぜ、正当な論拠で支えられた提言や洞察を形にし、その論拠をさらに強めていく作業にも取り組んだ。論拠付けを共に行うためには、人々が協力して自分たちの提案を支える論拠を磨いていかなければならない。
これは重要なことだ。自己組織化され、権限委譲されたチームは、指示を受けなくても健全で信頼できる結論にたどり着ける。彼らは説得、権力、または政治に頼らずに、考え、理解し、行動できる。複雑な状況においては、能動的にシステム的に物事をとらえ、他者の経験や専門知識から学ぶことができる。
その前提となるのが、自己組織化の能力だ。この力がなければ、論拠付けを共に行うことはほとんどできない。自分の視点が他者の視点とぶつかることで生まれる摩擦の中でこそ、矛盾するメンタルモデルや、前向きな変化の可能性が見えてくる。そのためにも、盲点や偏見を強めるのではなく、それらを浮かび上がらせる集団的な実践が求められる。
論拠付けを共に行い、それを通じてシステム思考を行うために、フィードバックループを設計しよう。
共に考えるプロセス自体がフィードバックループである。「フィードバックループ」と聞いて、例えばソフトウェアのモニタリングや、システムの一部に負荷がかかっている際に送信される通知を想像するかもしれない。オートスケーリングを思い浮かべる人もいるだろう。これらは設計可能な可視的なフィードバックループである。ユーザー満足度を測定する際も、フィードバックループを作り出していることになる。 ...
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