監訳者まえがき
本書は、Jennifer Davis、Ryn Daniels著『Effective Devops: Building a Culture of Collaboration, Affinity, and Tooling at Scale』(ISBN:978-1491926307)の全訳である。
「10+ Deploys Per Day: Dev and Ops Cooperation at Flickr」がこの業界に与えた影響は非常に大きい。DevOps(筆者たちはdevopsという表記を意図的に使っている)という単語は、見ない日がないくらい多くの場所で使われるようになった。その一方で、アジャイルソフトウェア開発宣言のような明確な定義をDevOpsが持たなかったことから、人によってDevOpsに対する定義が異なっているのが実情だ。DevOpsはプロビジョニングやデプロイの自動化を進めることだと考え、ツールを導入すればすぐにDevOpsを実現できると考える人も少なからず存在する。
一方で、トム・デマルコ、ティモシー・リスターによる名著『ピープルウェア』†1には、次のような一節がある。
実際のところ、ソフトウェア開発上の問題の多くは、技術的というより社会学的なものである。
つまり、人間関係の要素を無視して仕事を進めてはいけないし、多くの問題は技術的なところではなく、人間関係や組織を起点にして起こることを理解しておく必要があるのだ。
本書でも、DevOpsとは文化的・人間的側面に注目するものであるとしている。本書の目次を見ると、技術的な話題が少ないことに気づくだろうが、文化的な土台を抜きにして、流行の技術の話をしても、多くの組織の問題は解決しない。
組織や人に目を向けると、同じものは2つとして存在しない。したがって「これをやれば必ずうまくいく」という万能のソリューションも残念ながら存在しない。そこで本書は、さまざまな環境での実例を紹介して、読者にいろいろな観点から考えさせるアプローチを取っている。それぞれのストーリーに共通する考え方や原則がある一方で、それを「どうやったのか」は大きく異なっているのもわかるはずだ。 ...
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