Lean Analytics ―スタートアップのためのデータ解析と活用法
by Alistair Croll, Benjamin Yoskovitz, 角 征典, 林 千晶, Eric Ries
27章ツーサイドマーケットプレイス:評価基準
ツーサイドマーケットプレイスは、ECサイトとユーザー制作コンテンツの2つのモデルを組み合わせたものである。ECサイトのように販売者と購入者の取引で成り立ち、ユーザー制作コンテンツのように販売者が制作して管理する掲載情報に依存しているからだ。その掲載情報の質が、収益やマーケットプレイスに影響を与える。したがって、注意を払うべきアナリティクスの組み合わせも存在する。
マーケットプレイスでアナリティクスが重要な理由はもうひとつある。販売者は、価格の設定・写真の効果・売れるコピーの分析ができないことが多い。マーケットプレイスのオーナーとしては、こうした分析を手伝うことができる。サイトにいるすべての販売者の集約データにアクセスできるので、販売者よりもうまくやれるのだ。
出店者は価格の設定がわからないこともある。自分で分析できるとしても、十分なデータがそろっていないのだ。オーナーはすべての取引にアクセスできるので、出店者の価格の最適化を支援できるだろう(それに合わせて収益も増える)。たとえば、有料の写真撮影サービスが賃貸料に与える影響をテストするときに、Airbnbは不動産オーナーの代わりに実験的に試してみてから、実際にサービスを展開したのである。
これまでにECとUGCの両方のモデルを見てきたが、ここではツーサイドマーケットプレイスに特有の課題を見ていこう。
27.1 取引規模
マーケットプレイスには、頻度が低く価格の高い商品(住宅など)を扱うものもあれば、頻度が高く価格の安い商品(eBayに掲載されているものなど)を扱うものもある。つまり、販売者の掲載情報数や取引価格はさまざまであり、有益な基準値を決めるのは不可能なのだ。
とはいえ、購入額とコンバージョン率には相関関係があることが多い。購入額が高ければ、そのための比較や検討も増える。逆に購入額が少なければ、それだけリスクも低く、衝動や気まぐれで購入してしまう。 ...
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