Lean Analytics ―スタートアップのためのデータ解析と活用法
by Alistair Croll, Benjamin Yoskovitz, 角 征典, 林 千晶, Eric Ries
訳者あとがき
角 征典
本書は、"Alistair Croll and Benjamin Yoskovitz, Lean Analytics, O'Reilly Media, Inc., 2013"の全訳である。また、エリック・リースがキュレーションを手がける「リーンシリーズ†1」の第3弾となる。底本には紙の書籍とO'Reilly SafariのEPUBファイルを使い、原書の誤植や誤記については、著者本人に確認した上で修正した。
革新会計は重要だけど……難しい
本書を手にとられた方は、少なからず「リーンスタートアップ」に興味を持たれていることだろう。リーンスタートアップには「5つの原則」があったことを覚えているだろうか。そのなかのひとつが革新会計だ。「会計」という言葉から近寄りがたい印象を持たれるかもしれないが、成長のための「計測すべき数値」と考えればわかりやすくなるだろう。革新会計が必要とされるのは、『リーン・スタートアップ』(日経BP社)の言葉を借りれば、スタートアップは「不確実性が高すぎて、精度のよい予測や目標が得られない」ために「一般的な管理会計では評価できない」からだ。
『リーン・スタートアップ』には、革新会計に関するさまざまな説明が載っている。たとえば、既存メーカーであれば「顧客ごとの利益率、新規顧客の獲得コスト、既存顧客の購入リピート率」が成長モデルを動かす原動力になるそうだ。マッチングサイトであれば「ネットワーク効果の強さ」が重要になる。また、いくら改善しても意味のない数字は虚栄の指標であり、今後の事業や学習の判断を誤らないためにも、本物の行動につながる指標だけを計測すべきとされている。エリック・リースの書いた「エリック・リースによるまえがき」にも同様のことが書かれている。 ...
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