11章成功のための組織的要因

5章では、SREになろうとする個人が成功する可能性を高めるための一連の要因について解説しました。 本章はその対となる章で、組織がSREの導入を成功させるための要因のいくつかを探っていきます。 5章に詳しく書かれている個々の要素を体現している人たちを集めれば、あなたの組織で機能するSREチームが即座にでき上がる、と言うことができれば最高なのですが、残念ながら(それもひどい考えではないのですが)現実はそれよりも少し複雑です。

さっそく、組織におけるSREの成功に影響を与え得るいくつかの要因について説明しましょう。

11.1 成功要因1:何を問題としているか

当たり前のことのように見えるかもしれませんが、組織では次のような質問を読み飛ばしたり、聞き流したりすることが予想以上に多くあります。

SREが対処できる可能性のある問題がありますか?

その昔、私はプロダクトマネージャー(PM)のトレーニングを受けたことがあります。それには良い面と悪い面がありました。 そこでは「この製品が解決するために設計され、人々がお金を使いたがっている市場に蔓延している問題は何か」という質問をすることを教えてくれました(良い面)。 また、その質問に対する最初の答えや回答が、実際には問題を構成しておらず、それゆえに再質問やリフレーミングが必要な場合を認識することも教えてくれました(悪い面)。 たとえば、「御社の製品はどのような問題を解決するのですか」と聞けば、「この製品は、異なるクラウドプロバイダーのインフラを監視する方法を提供します」といった答えが返ってくるかもしれません。

しかし、それは問題提起ではなく、機能提起です。 そこで私たちは最初に戻ります。「その製品が解決する問題を教えてください」(この繰り返しです) ...