12章SREはいかにして失敗するか

失敗から学ぶことの価値を繰り返し強調する本書の中で、同じ考えをSRE自身に適用するチャンスを逃すわけにはいきません。 具体的には、SREの取り組みが実際の組織レベルでどのように失敗しているのかを、失敗が与えてくれた教訓を活かすことを念頭に置いて見ていきます。 この章では、 『SREの探求』 の第23章「SREのアンチパターン」(Blake Bisset著)や、実際にあったエピソードなど、多くの情報源から引用しています。

この文脈で私が言う「失敗」の意味について話しましょう。 トルストイの『アンナ・カレーニナ』の冒頭の一節(「幸せな家庭はどれもみな似ているが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある」 [1] )が当てはまります。 大雑把に一般化すると、この文脈での失敗は次の2つのうちのどちらかに当てはまります。 (1) 組織がある種の免疫反応を持っていて、時間が経つにつれSREの取り組みを完全に拒否する、あるいは、おそらくもっと悲劇的なことが起きる、(2)SREが提供する利益や価値に近いものを受け取れず、SREは静かな絶望の生活を送る [2] 、のいずれかです。

さて、SRE導入失敗の要因についてですが……。

12.1 失敗要因1:SRE創設のための肩書きフリップ

簡単な話をしましょう。本書の他の箇所でも繰り返し述べていることなので、簡潔に説明します。 ...