9章スケールするコミュニケーション
ピン! ベンがビデオ通話に参加します。
「やあ」とあなたは話しかけます。「話したいことがあるってメッセージを見ましたが、大丈夫ですか?」
「もう最悪なんです」とベンは答えます。「プラットフォームチームが僕のプルリクエストをマージしてくれません。ただのコード変更じゃなくて、アーキテクチャ全体が間違っているって言うんです」
「わかりました、見てみましょう」とあなたは言い、ベンが画面を共有します。そこにはチームの複数のメンバー、さらにはディレクターまでが「この変更はマージできない」とコメントしており、全面的な書き直しを求めていました。そのコードをここまで作るのに1か月の大半を費やしていて、ベンは明らかにいら立っています。
「なるほど、一歩引いて考えましょう」とあなたは言います。「この作業を始める前に、誰と話をしましたか?」
「僕たちのチャンネルにいた、プラットフォームチームの誰かとは話しました」とベンは答えます。「誰だったかは覚えていませんが、問題ないって言っていました」
「何が問題ないと言っていたのですか?」
「通話で打ち合わせをして、設計をひと通り確認しました」
「その設計はどこにありますか? もし見つかれば、話をした記録と承認があったことをチームに示せますよ」
「画面共有のホワイトボードに簡単なスケッチをしただけなんです」とベンは言います。「わざわざ書き残すほど重要じゃないと思っていました」
「では、そのときのチャットログはどうですか?」
「チャットログの保持期間は2週間という決まりなんです」とベンは答えます。「もう消えてしまいました」
「つまり、会話の記録も設計の記録もないということですね。それは理想的とは言えませんね」とあなたは言います。 ...
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