13章お金が世界を動かす
火曜の午後遅く。あなたはCFO(最高財務責任者)が招集した会議に他のディレクターたちと一緒に出席しています。
「はい、皆さん。今すぐ受信トレイを確認してください。皆さんの担当領域における過去12か月の支出内訳を送っています。内容を確認し、今後12か月の支出予測を作成してください。その際、支出が変動しそうな主要な項目があれば、必ず明確に示してください」
あなたはメールを開き、添付ファイルをクリックします。スプレッドシートアプリが起動し、膨大な列と行、数字の海が目の前に現れます。どこから手をつければいいのかまったくわかりません。
「いつまでに提出すればいいですか?」と、出席者の1人が尋ねます。
「週末までにお願いします」とCFOが答えます。「今月末までに私が予算を確定し取締役会で承認を得なければなりません」
あなたの胸に軽い焦りが走ります。金曜から休暇に入ることを思い出し、残された時間はわずか48時間。スプレッドシートの列を左から右へとざっと目で追います。CAPEX(キャペックス)、OPEX(オペックス)、償却、減価償却など、普段使わない言葉ばかりです。
シートの一番下にある合計額を見て、思わず目を疑います。自分の部門で昨年クラウドのコンピュート費用だけで1,000万ドルも使ったの? どうして? これって普通なの? しかも、あのチケット管理ソフトのエンタープライズ版が家一軒より高いなんて。
「次の会議があるので、私はこれで」とCFO。「詳細については私のチームが手伝ってくれます。状況を把握しやすいように、会社全体のトップラインの数字をまとめたシートも入っています。取締役会に報告する内容と同じ形式です。それを使って、自分の領域の支出を会社全体の損益計算書と比較できます。では、またのちほど」 ...
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