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行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する
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行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する

by Stephen Wendel, 武山 政直, 相島 雅樹, 反中 望, 松村 草也
June 2020
Beginner to intermediate
464 pages
5h 31m
Japanese
O'Reilly Japan, Inc.
Content preview from 行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する

4

何を達成したいかを明らかにする

 人々のダイエットを助けるための新しいプロダクトをつくりたいとしたら、どうすればいいのだろうか?

 MyFitnessPal*2のように食事のカロリーを記録できるツールはどうだろうか? あるいは、Paleo Diet*3のように、何を食べて何を避けるべきかを教えるダイエットプランはどうだろう? かつて流行した(が、不幸にも死に至ることもあった)fen-phen*4のように、食欲を減退させるダイエット薬は? あるいは、よくあるエクササイズアプリはどうだろう?

 これらがパッと頭に思い浮かぶのは、よく目にするものだし、ダイエットのために人がする行動と明らかに関係があるからだ。だが、ブライアン・ワンシンクは異なるアプローチを取る。彼は「人々がどのように食事を摂るのか」について数十年にわたって研究してきた。コーネル大学の食品商標研究所(Food and Brand Lab)の所長を務め、食事に関して100以上の論文や多数の書籍を執筆している*5。彼はまた、非常におもしろい人物だ(彼はかつてコメディアンをやっていた)。

 ワンシンクの研究に次のようなものがある。映画を見る人に、無料だが干からびて美味しくないポップコーンを提供するとどうなるか(彼らは気にせず食べる)。人々が食べているスープボウルにこっそり継ぎ足し続けて、中身がなくならないようにするとどうなるか(彼らは気づかずただただ食べ続ける。[図4-1])。彼が「考えなしの食事(mindless eating)」と名付けたように、わたしたちの食事行動はしばしば自動操縦(autopilot)モードになるのだ(Wansink 2010)。そこでブライアンは、新しいダイエット用プロダクトを生み出した。それは、「小さめのお皿」と呼ばれるものだ。 ...

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ISBN: 9784873119144Other